韓国の反日団体の中には、国内ばかりでなく、アメリカで活動したり、中国の反日団体と連携するなど、国際的な動きを展開している組織もある。そして、抗議活動の派手さで目立つのが、「大韓民国オボイ連合」である。安倍首相が靖国参拝を行なった翌日(2013年12月27日)にはさっそく日本大使館前で首相を模した人形を火にくべた。
また、「三・一独立運動」の記念日にあたる3月1日には他の保守系団体と合同で「北東アジアの平和のために、安倍首相は土下座して謝罪せよ!」という声明を発表し、同じく大使館前で安倍首相やNHK籾井会長らの仮面をかぶり、慰安婦像に謝罪するパフォーマンスを行なった。
他の団体では、「愛国国民運動大連合」の代表が大使館にトラックで突っ込んで門を破壊した行動で有名。また、「活貧団」の代表は昨夏の来日時に「第二の安重根になる」と宣言したものの、実際に行なったのは国会の前で反日プラカードを掲げて写真を撮っただけ。パフォーマンス先行の感は否めない。元時事通信ソウル特派員の室谷克実氏が指摘する。
「韓国の反日団体は、挺対協や強制徴用被害者の支援を行なう左派系の団体と、こうした愛国を前面に押し出す右派系の団体に大きく分かれる。左派系の核には教員労組が、右派系の核には退役軍人が入り込んでいる。両者は思想的には北朝鮮に対するスタンスなどで相いれないが、反日では一致している。連携することはないものの、左右双方が反日を謳うのが韓国の市民団体の特徴です」
※週刊ポスト2014年4月25日号