4月4日のブルージェイズ戦で、先頭打者にいきなり本塁打を許したものの、7回3失点で初勝利を収めたヤンキースの田中将大。現地メディアからも惜しみない賛辞を送られ、その実力を高く評価した。今後、成功するためには技術面はもちろん、好成績を残すためにいかに生活環境に慣れるかも重要になってくる。
これまでメジャーを2000試合以上取材した、スポーツジャーナリストの古内義明氏によれば、ヤンキースの先輩、松井秀喜氏も様々な習慣の違いに面喰らいながら、認められていったという。
水回りも勝手が違うため、痔に注意しないとならない。松井も遠征先で、ホースのない欧米式の固定式のシャワーに、「お尻が洗いづらい」と苦労していた。
お尻といえば、もっと問題なのはトイレ事情。日本では当たり前の温水洗浄便座だが、球場はおろか常設するホテルも少数派だ。
「松井はわざわざ自宅に洗浄便座を設置した。レンジャーズからレッドソックスに移籍した上原浩治が移籍してまず感動したのは、球場に洗浄便座が設置されていたことでした」(古内氏)
靴文化の米国で水虫に苦しむ選手は数知れず。投手の要である下半身の異常は極力避けねばならない。
ちなみに松井は「5本指ソックス」を愛用し、蒸れないようにしっかり対策を講じていた。松井から5本指ソックスを進呈された元同僚の大打者、ゲイリー・シェフィールドはこれを大絶賛し、しばらくヤンキース内でちょっとしたブームになったという。
※週刊ポスト2014年4月25日号