かつては民放の雄といわれたフジテレビが絶不調だ。視聴率争いでは、日本テレビとテレビ朝日に後塵を拝し、2ケタ獲得が『めざましテレビ』だけという日も珍しくない。3月に31年半続いた『笑っていいとも!』を終了させ、新番組『バイキング』が開始したが、視聴率は低調だ。
4月から『ヘンシン!新型フジテレビ』をキャッチコピーにしているが、まだ成果は見えていない。だが、それなりの気迫を感じさせる部分もあるという。民放各局で仕事をする放送作家が話す。
「『サンデージャポン』(TBS系・日曜10時~)のウラに、同じような内容の『ワイドナショー』(日曜10時~)を持ってきましたよね。最近のテレビ界では、ウラに強力な番組があれば、違うジャンルを持ってきます。たとえば、ウラに強いドラマがあれば、バラエティを配置する。同じようなモノで勝負を挑むより、安全に違うジャンルの番組を作る傾向が強い。『水戸黄門』のウラで時代劇は放送しない、と言えばわかりやすでしょうか。そのほうが、視聴者を奪いやすいですからね。
だから、フジが『ワイドナショー』を『サンデージャポン』のウラにぶつけてきたときは、本気で改革しようとしているなと思いましたよ。昨年も、トーク番組の『アウト×デラックス』(木曜23時~)を好調な『アメトーーク!』(テレビ朝日系・木曜23時15分~)と同じ時間帯に置いた。15分間しか被っていませんが、勝負する魂は見せています。フジに攻めの姿勢が戻ってきたと言えるでしょう」
『ワイドナショー』は初回視聴率で『サンデージャポン』に負けたが、『アウト×デラックス』は『アメトーーク!』の牙城を崩しつつあるという。
「2ケタが当たり前だった『アメトーーク!』は最近、視聴率が1ケタに終わることもある。もちろん、ソフトとして転換期を迎えている側面もあるでしょうが、『アウト×デラックス』の影響は大きいですよ。まったく同時間帯とは言えないとはいえ、視聴率で『アメトーーク!』と『アウト×デラックス』が接戦を繰り広げることもありますからね。
そのうち、『アウト×デラックス』や『ワイドナショー』が裏番組を抜く日が来てもおかしくはありません。そうなったとき、フジテレビの復活が果たされているでしょう」(同前)