小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーが4月9日に大阪市内で行った記者会見は、テレビが通常番組の編成を変更しての生中継を多くの人が視聴し、いまだに大きな話題を集めている。漫画家の小林よしのり氏、作家・アイドル評論家の中森明夫氏、漫画家の倉田真由美氏が、記者会見でみせた小保方氏の「すごさ」について語り合った。
倉田:彼女がSTAP細胞を信じてるかどうかわからないでしょ。「無いかもしれない」と思いながらも、ハッタリで言ってる可能性もあると思う。
中森:たとえハッタリでもすごいじゃない。芸能人でもない人が、あんな怖い記者連中の前に出られないよ。矢口真里なんか、いまだに記者会見してないんだから。
小林:そうそう。だからわしも最初は「記者会見に出るべきじゃない」と言ってたんだ。危なすぎるから。
倉田:でも、全然大丈夫だったじゃないですか。
中森&小林:だから、すごいんじゃん!
倉田:いや、私もすごい女だとは思ってますよ。でも「すごい」のニュアンスが違う……。
中森:僕が「小保方さんすごい!」と言うと、女性からは「おっさんが若い女の子に騙されてるんだ」とか言われるんですよ。でも、そう言う女性たちは美人に嫉妬してるんでしょ?
倉田:いやいや。女性から見て小保方さんがどれだけ美人かというと、微妙なラインなのよ。あの人が女優として成立するかというと、ちょっと無理でしょ?
中森:僕はAKBに近いと思う。AKBも超美人はいないけど、総選挙でギリギリの精神状態に追い込まれると、毅然とした美しさを見せる。酸性の溶液に刺激された細胞がSTAP細胞となって輝くように! アイドルって偶像でしょ。偶像は崇拝されると同時に、ある種の生贄なんですよ。キリストだってそう。小保方さんは、真の意味での偶像=アイドルなんだ。
小林:極限状態の中で見せる表情ね。あの状況になったら、わしでも相当たじろぐよ。でも小保方さんはカメラのフラッシュに顔をしかめることもなく、恐ろしいほどの美しさを保つわけ。で、あの泣いた顔がまた美しいんだ。彼女は「記者会見女優」なのよ。あれが一番の晴れ舞台なんだよね。
中森:映画だって、人が集中して見るのは2時間が限界ですよ。しかし彼女は2時間半、見る者の感情をつかんで離さなかった。ノーベル賞は取れないかもしれないけど、日本アカデミー賞の主演女優賞は取れる。
※週刊ポスト2014年5月2日号