時間に余裕があるゴールデンウイーク。折角の機会だから本でも読んでみては? そこで経済評論家の勝間和代さんが、「絶対に読み返したい私のベスト3冊」を選出してくれました。
【1】『エイラ 地上の旅人(1) ケーブ・ベアの一族 上・下』ジーン・アウル 著、大久保寛 訳/発行:ホーム社、発売:集英社/2484円(上下とも)
【2】『完訳7つの習慣人格主義の回復』スティーブン・R・コヴィー著、フランクリン・コヴィー・ジャパン訳/キングベアー出版/2376円
【3】『ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方』ベティ・L.ハラガン 著、福沢恵子・水野谷悦子 共訳/知恵の森文庫/700円
勝間さんが、この3冊をセレクトした理由を解説します。
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【1】は自らの人生を切り開く力を授けてくれるストーリー。生きることに対する概念が変わります。主人公のエイラは、ものすごい逆境に生まれるのですが、生き抜くためにさまざまな創意工夫をして、固定観念を取っ払いながらたくましく進んでいく。
ふだん、“これはこうしなければならない”という思い込みに縛られている機会も多いと思いますが、この小説は、そのときに応じて臨機応変に対応すればいい。そんな気づきを与えてくれます。
主体性を持つ、優先順位を考えるといった心がけや人間関係についての“基本”が書かれているのが【2】。基本なんですが、読まないと一生気づかないかもしれない。それは人生の大きな損失だと思います。
【3】は職場で“女性性”を前面に出す行いが、どれほど不利な状況を招くか教えてくれます。社会というものが、いかに男性中心に成り立っているか。そんななか女性が真っ向勝負をしかけると、当然、摩擦が起きる。そこで男性社会に女性が的確に溶け込むための“暗黙のルール”を伝授してくれます。
読書は人生を変えるキッカケになり得るものです。だから共感する部分があったら実践して、少しずつ自分のものにしていく心がけが大切だと思います。とはいえ読書は私にとって、そんな肩ひじの張った存在ではなく、テレビと同じ娯楽。最近は電子書籍を持ち歩くほか、家のトイレとお風呂にも置いて、3台を駆使しています。速読の技術も身につけているので、月に100冊は読破していますね。
※女性セブン2014年5月8・15日号