どっこい、この2人のご隠居はまだまだ涸れてはいなかった。東京都知事選で一敗地にまみれた「小泉純一郎-細川護熙」元首相コンビが再結成される。
5月7日に、両氏が発起人となり、原発ゼロ社会を目指す一般社団法人「自然エネルギー推進会議」を立ち上げる動きが明らかになった。今年秋に行なわれる福島県知事や、来年の統一地方選挙で脱原発の候補者を支持する国民運動を展開するというのである。
しかも、都知事選の教訓から、今回は両氏以上の“大物助っ人”を担ぎ出した。団塊世代の永遠のマドンナ、吉永小百合(69)である。
吉永といえば、福島第一原発の被災者が書いた詩を全国各地で朗読するなど、脱原発活動に積極的に取り組んできた。都知事選でも、同じ脱原発を掲げる細川氏に応援メッセージを送っている。
「2人は、細川さんが熊本県知事だった頃からの知り合い。別荘が隣同士で、細川夫人とともに家族ぐるみのお付き合いをしている関係です」(細川氏に近い人物)
吉永は小泉―細川コンビが設立する同会議の賛同人に名を連ねるという見方が有力だ。
かつて学生運動の闘士だった団塊世代のサユリストたちが昔を思い出して、脱原発運動に加われば、予想を超えた“団塊パワー”を生み出すかもしれない。しかし、国民運動には軍資金も必要になる。
「同会議は、自然エネルギー普及に賛同する企業や団体からの寄付を集めることになるだろう。吉永さんがCM出演しているシャープは、太陽光パネルの大手メーカーでもある。同会議の趣旨には理解があるのではないか。これが日立や東芝など原発メーカーのCMに出ていたら、吉永さんが賛同者になるというわけにはいかなかったかもしれない」(同前)
どうやら、大物助っ人の招聘にはスポンサー獲得を目論む皮算用もあるようで……。
※週刊ポスト2014年5月2日号