小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーを、アイドルのように美しいと褒める漫画家の小林よしのり氏と作家・アイドル評論家の中森明夫氏。一方、記者会見によって彼女の強さが目についたという漫画家の倉田真由美氏が、STAP細胞の存在についての印象を語り合った。
倉田:二人の話を聞いてると、彼女の誘導は見事に成功したと思いますね。実はすごく姑息なことをしているくせに、「私が未熟だったせいですいませんでした」と謝ることで、姑息じゃない印象になる。
たとえば痴漢や置き引きって姑息な犯罪じゃないですか。それを「未熟なせいでゴメンナサイ」って涙を見せたって、誰も同情なんかしない。彼女は犯罪を犯したわけではないけど、そうした姑息さを覆い隠して「未熟な人間のうっかりミス」に仕立て上げたんですよ。悪意はなくても、画像の切り貼りなんか明らかに故意であって、ミスじゃないでしょ。
中森:たしかに彼女は未熟だし、姑息かどうかわからないけど間違いもあったでしょう。でも彼女に心を動かされた人間は、「この人はほかの科学者とは違う特別な人間なんだ」と感じたわけ。
勘違いかもしれないけど、彼女はSTAP細胞を見たんですよ。それがなければ、あんな記者会見はできません。彼女の瞳にだけ映るSTAP細胞、それこそが美しい。そのSTAP細胞が、小保方さんの瞳を通して大勢の日本人の目にも一瞬、見えたんだよ。科学とは違う人間的、実存的な真実が、そこにはあった。
小林:まあ、わしは科学ジャーナリストの批判にもすべて反証できるけどね。
倉田:え、なんで!?
小林:わしだって彼女が不利なのはわかってるんだよ。そのうえでどう弁護しようかって、すごく一生懸命考えてるわけ。考えたもん、全部。
中森:それはすごい!
小林:全然、科学的に論破できますよ。「おまえら、おかしいだろ!」って言ってやりたいね。
倉田:うーん。それ、あんたたち本気で言ってるの!?
※週刊ポスト2014年5月2日号