福岡県筑後市で発覚した連続失踪事件。一体何人が失踪したのか定かではないが、福岡県警は別件で逮捕したリサイクルショップ経営者の中尾伸也(47)と妻の知佐(45)の両容疑者が失踪者の「行方」を知るとみて、夫婦を別々の警察署に移送し、取り調べを進めている。
二人は結婚後、干物の行商や裏カジノができる喫茶店などを経営して懐を潤していた時期もあったが、次第に生活が困窮。自己破産に追い込まれて2003年に喫茶店を畳み、肉親のつてを辿って現在のリサイクルショップを開いた。
が、これも生活を立て直すほどの商売にはならなかった。知人男性から2000万円を借りるなど金策に走り回っていたことも判明した。
こうして来歴を眺めると、職を転々として借金を膨らませる夫・伸也容疑者に妻・知佐容疑者が振り回されているように思える。
実際、中学時代の同級生は、「伸也君は普段は無口だが、スゴんだときは恐ろしい。昔から不良仲間も多く、地元でも恐れられていた」と語る。だが、かつて夫婦と親しく交流していた地元男性は、こんな話をする。
「夫は奥さんの尻に敷かれていました。彼女、めちゃくちゃ気が強い。一度、彼女が友達と女同士で喧嘩になったところに遭遇したんですが、店を出てからも凄い剣幕で相手を罵り続け、顔を上気させていた」
そうした知佐容疑者の気性の激しさを証言する声は今回の取材でも多く聞こえてきた。たとえば、中学校に通う娘が学校生活に不満を漏らせば、「母親が学校に乗り込み、教師を怒鳴り散らすこともあった」(娘の同級生の母親)という。 知佐容疑者と一緒に美容院に行ったことがあるという知人女性もこう話す。
「突然、その美容師の態度が気に入らんとかで、ギャーギャーと美容師を怒鳴り散らしていました。お客も美容師も震えていました」
また近隣住民の一人はこんなエピソードを明かす。
「今年の2月頃ですかねぇ、家に迷い込んだ野良猫を追いかけていた知佐さんの姿を見ました。すごい形相で『ごぉらーっ』って大声で叫んでて、こっちは『うわぁ』と思いましたよ」
ちなみに知佐容疑者は、野良猫に関して異常な関心を示していたそうだ。次に紹介するのは、かつて中尾夫婦と親交のあった知人男性の話だ。
「昔、チーちゃん(知佐容疑者)からスゴイことを聞いたことあるんです。『私の母も性格が荒くてねぇ。よく猫を捕まえて生きたままビニール袋に入れて振り回し、焼却炉の中に投げ込むのよ』って。彼女は笑いながら語っていましたが、こっちはまったく笑えなかったです」
こうした知佐容疑者の“攻撃的”ともいえる性格には、捜査関係者も関心を寄せているという。
※週刊ポスト2014年5月2日号