日本各地には郷土色あふれる麺料理が数多くある。
「小麦の栽培がさかんな地域ではうどんが、米や小麦の栽培が難しい地域ではそば栽培が発達し、全国に名物のうどんやそばがあります」と話すのは鎌倉女子大学名誉教授の成瀬宇平さん。
ラーメンも地域の名産が使われるなど、その土地の味が楽しめるものが多い。
「ご当地麺のよさは、その土地で培われてきた文化や風土を、食べ物を通じて体感できること。その土地の人々が工夫を凝らして長年食べ続けてきた味なので、初めて食べても懐かしく、親しみを感じられます」(食に詳しい編集ライターの野上知子さん)
石臼で碾いたそば粉を使用した山形県の「板そば」もそのひとつ。
江戸時代に板に3~5人前のそばをのせてもてなしたのが始まりとされる。老舗の『水車生そば』では、本来の香りや甘みが楽しめるよう、石臼で自家製粉する昔ながらの製法にこだわっている。
◆水車生そば 山形県天童市鎌田本町1-3-26