開幕から3カード勝ち越しを決めて首位に立ち、23年ぶりの優勝も意識させる強さの広島カープ。好調の裏付けはもちろん、戦力の充実にある。
なんといっても投手陣だ。通算213勝、優勝した1986年には沢村賞に輝いた赤ヘルのエース・北別府学氏は、特にルーキーの活躍を挙げる。
「開幕5戦目、地元・広島で初先発した大瀬良大地は、初回から内角のストレートやタテのカーブを有効に使う投球を見せた。私の経験から見ても、プロ初先発でこんな冷静な投げ方ができるなんて驚き。同じく新人の九里亜蓮と2人、どこまで成長するか楽しみです」
大竹寛(昨年10勝10敗。巨人に移籍)が抜けた穴が不安視された投手陣だが、新人2人で3勝を挙げているのは、穴埋め以上の価値がある。先発・抑えで、5度の優勝に貢献した大野豊氏(148勝138S)も、投手陣の安定感を絶賛する。
「マエケン(前田健太)、バリントン、野村祐輔の3本柱に加えて、新人の大瀬良と九里、それに6番目の左腕・篠田純平の先発6人がゲームを作れている。また、大きいのは中継ぎ陣の安定です。
最近の野球は後半3イニングが大事ですが、今の広島には一岡竜司、永川勝浩、ミコライオという勝ちパターンがあって、横山竜士、中田廉もいる。これまではリリーフで負けることが多かったが、今年は開幕後、延長になった3試合連続で勝てているように、試合後半での安定感が出てきた。優勝戦線に残るためには重要な要素ですよ」
※週刊ポスト2014年5月9・16日号