本は人を創り、人を変え、人を育てる。時間に余裕があるときにじっくり読んでみたい本、ベスト3をビリギャル・さやかさんが厳選してくれた。さやかさんは、『学年ビリのギャルが1年で偏差値40上げて慶応大学に合格した話』(坪田信貴/KADOKAWA)の“ギャル”本人。
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学年最下位になったこともある私が慶應義塾大学総合政策学部に現役で合格できたのは、塾講師の坪田信貴先生に出会ったお蔭でした。
それまで読書の習慣がなかったんですけど、先生から「1か月に1冊、本を読もう」と言われ、毎月課題図書を出されて読書感想文を書くことに。その中でいちばん印象に残っている本が『14歳からの哲学 考えるための教科書』(池田晶子/トランスビュー)です。
タイトル通り、中学生にもわかるやさしい言葉で語りかけてくれる哲学の入門書でした。「考えるって何?」ということから始まって、そんなこと自体、それこそ考えたこともなかった。でも、この本を読んで、「知ること」「勉強すること」の意味がわかった気がします。著者の池田先生が慶大卒だったことも、受験のモチベーションになりました。
『夢をかなえるゾウ文庫版』(水野敬也/飛鳥新社)は大学時代に読んだ本。当時アルバイトしていた居酒屋の店長に貸したら彼もすごく気に入って、開店前のミーティングでみんなに薦めました。今年3月、その店長と結婚! ずっと「借りパク」されていた(借りたまま返さないこと)『夢をかなえるゾウ文庫版』が7年ぶりに返ってきました(笑い)。
彼の影響もあって、サービス業で働きたいと思うように。就活前に坪田先生に相談すると、『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』(高野登/かんき出版)を薦められたんです。その足で買いに行って電車の中で読んでいたら、メッチャ感動して泣いちゃいました。
「お客様が求めていることプラスアルファ」に応えることで、お客様の一生の思い出を演出する――だから、今やっているウエディングプランナーという仕事はまさに天職です。自分が手掛けた結婚式では、いつも最後に泣いてしまいます。
※女性セブン2014年5月8・15日号