【書籍紹介】『愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない』伊集院静/集英社/1600円+税
最愛の妻を亡くし酒とギャンブルに溺れていたユウジ。スポーツ紙の競輪記者・エイジと出会い、似た者同士のふたりは意気投合する。また、ユウジの弟分的存在で亡き妻とも親しかった芸能プロダクション社長・三村と再会。そしてユウジの才能を信じ、執拗に小説執筆を勧めてくる編集者・木暮。皆〈愚者なのである。それもどうしようもない愚者なのだ。私はその愚者をいとおしく思う〉。不器用な男たちの不器用な友情を描く、自伝的小説。
※週刊ポスト2014年5月9・16日号