オバサマたちに大人気の綾小路きみまろが、久々の登場。読者投稿の川柳にきみまろ作品も付け加え、春に相応しい漫談を披露する。
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季節の移り変わりは早いものです。大雪があったと思ったら、桜になり、そして五月。
『五月』にはいろんな読み方があります。まずは『さつき』。
私などはすぐ『五月みどり』さんを連想します。
ヒット曲『おひまなら来てね』。
「冗談じゃないわよ! うちの亭主ときたら、一日中、家でゴロゴロ。おひまでも、来ないで! 近寄らないでったら!」
特に定年後のご主人は奥様から爪弾きです。
『五月雨』で『さみだれ』。
『さぁ乱れ』と読んでしまい、生唾ゴックン!の私は変でしょうか?
『五月蠅い』で『うるさい』。
五月に飛ぶ蠅はうるさいということですが、「それなら『五月蠅い』じゃなく『五月妻』で『うるさい』と読ませるべきだろう」。ご主人からの申し立てが。
「いや、うちの女房の場合は五月だけじゃなく『年中妻』で『うるさい』だな」
「何よ、勝手なことを言って、うるさいわね!」。奥様がたのお怒りの声が聞こえそうなので、本題に入ります。
今回も読者投稿の川柳に私の作品も付け加え、誌上高座をお送りしたいと思います。
【妻の愚痴 消費税並み“さげ”はなし】
政治も経済も、おまけに天気までもが不安定。安定しているのは奥様の体重だけです。
ああ、それなのに消費税3%アップ。家庭の主婦だけじゃなく、若者も怒っています。
「アップだなんて消費税、チョーひでえ」と。
物価は上がり、生理も上がり、血圧、血糖値は上がり、逆におっぱいは下がり、お尻も下がり、増えたのはシミ、しわ、コレステロール、中性脂肪、皮下脂肪で、減ったのは貯金とご主人の髪の毛ぐらいです。
消費税3%アップも「たかだか105円が108円になるだけだ」という人もいますが、積み重ねになると大変な家計負担になります。
加えて面倒なことも多いのです。たとえば手紙。残っていた80円切手にプラス2円切手が必要です。
80円切手だけだと「2円切手を貼って!」と注意が。
京都の人なら「何、言ってはる(貼る)!」と、ムッとするかもしれません。するとすぐ仲裁に入る人も。
「季節は五月、まだ、春(貼る)やから、ええやないの」
京都弁をしゃべれない人なら、五月みどりさんの歌を歌うのもいいかもしれません。
『おひまなら~切手よネ~』
夫婦の会話
妻「私、ネイルサロンに行ってきたのよ」
夫「何だ、その爪に描いてる花は?」
妻「お父さんの花よ」
夫「だから、何ていう花だ?」
妻「ボケの花!」
夫「どこへ行くんだ?」
妻「水泳教室。私、やせるのよ」
夫「ムダだ、やめろ」
妻「何で?」
夫「マグロを見てみろ。毎日泳いでるのにあの体だ」
※女性セブン2014年5月8・15日号