メジャーリーグでメジャー契約を維持するのは難しい。中島裕之(アスレチックス)と川崎宗則(ブルージェイズ)は、いずれも3Aでメジャー昇格を目指して奮闘中だ。
中島裕之はアスレチックスの40人ロースターから外れ、3Aで内野手として出番を待っている。
日本でも元々守備範囲の狭さは指摘されていたが、アメリカでも相変わらずらしく、同チームのスカーソニー監督は、「ナカジマには俊敏性を増す練習が必要」と見ており、昇格は叶いそうもない。
成績はともかく、地元ファンに愛されていることではピカイチなのが川崎宗則。本拠地ロジャースセンターでは、レギュラー選手でもないのに、川崎のTシャツが売り切れになる大人気となっている。
「昨年5月にサヨナラヒットを打った時、英会話本を片手に“アイム・ジャパニ~ズ!”と絶叫したインタビューが大受け。その後も下手な英語で一生懸命喋るキャラクターで人気になり、同12月にはMLB機構の正規の賞「GIBBYアワード」の“お笑い選手”部門で賞を受賞。肩も守備も走塁も並だが、元気だけはメジャー級という評価」(トロントの担当記者)
とにかく人気は絶大で、昨オフに移籍が囁かれた際には、地元紙『トロント・スター』の女性記者が「ムネ、残留して!」「ムネがいなくなったらどれだけ悲しめばいいの?」などという“ラブレター”を掲載した。
プロは愛されてナンボ。今後メジャーを目指す選手は、川崎から学ぶことは多そうだ。
※週刊ポスト2014年5月9・16日号