大の相撲ファンとして知られ、2000年から10年間、女性で唯一、日本相撲協会横綱審議員を務めた脚本家の内館牧子さん。
相撲を愛するがゆえ彼女は、2003年1月場所後、朝青龍(33才・現在は評論家、タレント)が横綱に昇進した際、彼の目にあまる行動や言動に度重なる苦言を呈していた。そのため、当時は朝青龍VS内館の構図ができ、世間から彼女は、そうとう朝青龍が嫌いなのだと思われていたが、そうではないという。
「朝青龍とのバトルが取りざたされていた最中から、私は“朝青龍は男としては魅力的。でも横綱としては最悪”と言っていました。彼は頭の回転もよくて、男気も情もあり、血の気も多くて、なおかつチャーミング。だから男としてはとても魅力的で、プロスポーツ選手としては尊敬していたんです」(内館さん・以下「」内同)
しかし、彼は横綱としての品格にかけていた。
「相撲には相撲道という精神があり、横綱は俗世間の人間くささや男くささを封じ込めて、人間離れした境地に立たなくてはなりません。
双葉山しかり、大鵬しかり、貴乃花しかり、白鵬しかりですが名横綱と呼ばれる人たちは、そういった社会の俗のところを封じ込めて、己を磨いてきた人たちです。その点でいうと朝青龍は横綱としての品格がかけていたから、苦言を呈していました。
私は“横綱”として朝青龍を認めていなかっただけで、もしも相撲と離れたところで出会っていたなら、きっとすごく気があっていたと思います」
※女性セブン2014年5月8・15日号