同時期の『あまちゃん』や『ごちそうさん』を抜き、第1週の平均視聴率21.6%と好発進、『赤毛のアン』の翻訳家である村岡花子さんの半生を描いたNHK連続テレビ小説『花子とアン』。久しぶりに『赤毛のアン』を読みたくなっているあなたに、意外と知らなかった、なるほどトリビアを紹介しよう。
【『赤毛のアン』は恩師のカナダ人宣教師から託された】
村岡さんはキリスト教系出版社『教文館』で働いていたが、そこでカナダ人宣教師と知り合い、「ミス・ショー」と慕うようになった。1939年、第二次世界大戦が始まろうとする頃、カナダに帰国することになったミス・ショーから友情の証として手渡されたのがモンゴメリ作の『Anne of Green Gables』だった。
【命をかけて守り抜いた原書】
ドラマ冒頭。戦火のなか、はなが『Anne of Green Gables』の原書を抱えて防空壕に逃げるシーンは、実話がもととなっている。村岡さんも空襲警報が鳴ると、原書と翻訳途中の原稿用紙を風呂敷に包み、避難していた。
【村岡花子は『赤毛のアン』のタイトルを嫌がっていた】
英語のタイトルを直訳すれば『緑の切妻屋根のアン』。戦後、ようやく出版の運びとなった際、編集者から“赤毛のアンはどうでしょう”と提案されたのがきっかけ。それまで村岡さんが考えていたのは『夢みる少女』や『窓に倚る少女』というタイトル。だが娘に「断然『赤毛のアン』がいい!」と言われて決まった。
【日本では発行部数1500万部以上】
今年はモンゴメリ生誕140年。原書が発売されてから1世紀を超え、15か国以上で翻訳されている。売り上げ部数は世界中で約5000万部。そのうち日本の発行部数は新潮社、講談社、集英社で出しているシリーズ版の合計で1500万部以上といわれている。
【関連本が幅広い】
原作に出てくる料理レシピが掲載された料理本、アンや作者モンゴメリのゆかりの地を訪ねる旅本、インテリアや小物を扱った手芸本など、関連書籍は多数出版され、好調な売れ行きに。ファンにはたまらないと人気を呼んでいる。
※女性セブン2014年5月8・15日号