横浜DeNAベイスターズが、今季も苦戦を強いられている。昨季2冠王で主砲のトニ・ブランコ、正捕手の黒羽根利規を故障で欠き、チームは苦境に陥っている。だが、問題は中畑清監督を筆頭とする首脳陣の編成にもあるという。スポーツライターが話す。
「今年のDeNAの首脳陣を見ると、中畑監督と接点のあるコーチが少ないことがわかります。最もコミュニケーションを密に取る必要のある進藤達哉作戦コーチ、川村丈夫投手コーチとは、初めての仕事となります。駒大、巨人と同じ釜のメシを喰ってきた二宮至は、今年から二軍総合コーチとなり、アテネ五輪で一緒に戦った高木豊は昨年限りでチームを去りました。
還暦を迎えた中畑監督と同世代がほとんどいないのも痛いですね。30代が3人で、45歳以上は2人しかいない。首脳陣が若過ぎることも、チーム低迷の要因につながっているのではないでしょうか」
勝ちパターンの投手を、大量得点差や負け試合に注ぎ込む投手起用にも、疑問の声が上がっている。
「投手の継投は、中畑監督と川村コーチでやり取りをしている。ただ、川村コーチは昨年、初めて一軍コーチになったが、ブルペン担当だった。一軍で継投を考えるのは初めてのこと。いくら調子が悪いといっても、通算100セーブを挙げている山口俊を、点差に関係なくどんな場面でも投げさせている。もう少し使い方を固定すれば、力を発揮するはず。
投手兼任コーチの三浦大輔は未勝利のまま、二軍落ちしましたが、中畑監督に意見できる数少ない存在でした。たとえば昨年、期待の国吉佑樹が巨人戦で3回までに7失点と打ち込まれても続投させられ、直後に二軍落ち、シーズン終了まで登板のチャンスはありませんでした。三浦は、このことについて、『続投は良いが、もう一度先発のチャンスを与えてほしかった』と言っています。監督に有益なアドバイスを送ることのできる存在だったのです。
にもかかわらず、現在の首脳陣を見ると、監督に直接モノを言いにくそうなコーチばかり。少なくとも二宮コーチは二軍から一軍に呼び戻すべきではないでしょうか。なんでも腹を割って話せる存在が、今の中畑監督には必要です」(同前)
このままシーズンが進めば、クライマックスシリーズ進出はおろか、最下位も現実味を帯びてくる。まだシーズン序盤。早めに手を打てば、まだ何とかなるはずだ。