1989年7月から、つまり平成に入ってからの約25年間、テレビ朝日の月曜21時台は『たけしのTVタックル』が放送されていた。その『TVタックル』を23時15分に移動し、4月から同枠では『ここがポイント!池上彰解説塾』が開始された。“視聴率男”の異名を取る池上氏だけに、高い数字が期待されたが、思いのほか数字は伸び悩んでいるのだという。テレビ局関係者はこう話す。
「テレ朝が将来の局の看板アナにしようと考えている宇賀なつみアナを、アシスタントとして抜擢したことからも、意気込みは伝わってきます。しかし、初回の3時間スペシャルが10.1%、2回目の通常放送が9.9%と2ケタに届いていない。正直、ここまでは期待外れです」
2010年から2011年にかけて特番やレギュラー放送されていた『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』は、常に10%台後半の視聴率を叩き出し、20%を超えることもあっただけに、意外な低さとなった。
2回目の放送は、民放同時間帯で3位だったが、、4位はテレビ東京の『世界ナゼそこに?日本人』で9.5%、5位がTBSの2時間ドラマ枠『月曜ゴールデン』9.4%と、大差はない。なぜ、『池上彰解説塾』の視聴率は伸び悩んでいるのだろうか。
「まず、裏番組にNHKの『ニュースウォッチ9』があり、視聴者層が重なっていること。テレ朝の狙いとしては、池上氏の番組で視聴者をNHKから奪い、ニュースは後番組の『報道ステーション』で見てもらうという考えだったのでしょう。しかし、『池上彰解説塾』初回の後番組だった『報道ステーション』は9.1%と1ケタを記録。同番組がここまで落ち込むのは珍しい。『池上彰解説塾』2回目の後の『報ステ』は13.9%を取ったので、まだなんとも言えないですけどね。
あとは、池上氏がテレビのレギュラーから離れているあいだに、『今でしょ!』の流行語で知られる東進ハイスクール講師・林修先生が出てきたことも理由として考えられるかもしれません。彼は今、冠番組で2ケタを取れる“数字を持っているタレント”の1人です。
もちろん本業が塾講師の林先生と、ジャーナリストの池上氏を同列に捉えるわけにはいきませんが、視聴者からすればどちらも同じ“先生枠”として見てしまいますからね。林先生が教養番組に出演する機会も増えていますし、池上氏の番組の苦戦とも無関係ではないと思います。
とはいえ、池上氏は4月から、レギュラー番組『池上彰の経済教室』(テレビ東京系)も始めています。こちらは、深夜24時台の放送にもかかわらず、前番組よりも数字を上げています。深夜帯で視聴率を上げることは凄いこと。『池上彰解説塾』の本当の勝負も、これからかもしれません」(同前)