厚労省が発表した特別養護老人ホームの待機状況の調査結果によると、特養に入所の申し込みをして待機中の高齢者は「52万4000人」に上るという。入所の順番は申し込み順だけでなく要介護度や緊急性が加味される。ケアタウン総合研究所代表の高室成幸氏によれば、「空いている地域を狙う」ことも重要なポイントだという。
特養は住んでいる地域に関係なく、どこの施設でも、何か所でも申し込みができる。一般に大都市では待機期間が長いが、地方では意外と空きがあるという。
「実は一部の地方ではかなり安いサービス付き高齢者向け住宅が出てきたため、特養に空きが出始めています。住み慣れた土地を離れるのは不安かもしれませんが、親族が住む県や、老後に住みたかった地域で、競争率が低いところに申し込むのはいかがでしょうか」(高室氏)
競争率の低い県を把握するため、入所者数に対する待機者の割合が低い順に県別のランキングを下に掲載した。
順位/都道府県/待機者の割合
1位/富山/0.3812倍
2位/愛媛/0.4109倍
3位/大阪/0.4158倍
4位/長野/0.4446倍
5位/愛知/0.5213倍
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43位/香川/1.5946倍
44位/岐阜/1.7493倍
45位/広島/1.8303倍
46位/山梨/1.9654倍
47位/宮城/4.4187倍
【*ランキング注釈】待機者の割合は、各県の待機者÷定員で計算。定員の何倍の人が入所を待っているかを示す。宮城は重複申込者含む。資料/厚労省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(平成25年10月1日時点)」、厚労省「介護給付費実態調査(平成25年10月)」。
※週刊ポスト2014年5月9・16日号