100年以上生きてきた人々のことを「百寿者」と呼び、日本では5万人以上いる。2000年に100歳の高齢者を対象に実施した健康・体力づくり事業財団の調査結果では、百寿者の平均睡眠時間は約9時間。実に8割強が「よく眠れる」と答えている。「いつも定時に自分から起床する」は61.6%で、定時に自分から起床できる人は、できない人より睡眠時間が短い。
百寿者のリタイア年齢は男女ともに70代に集中している。60代で現役を退いたのはわずか2割程度。長く社会との関わりを持つことが、長寿の秘訣と言えそうだ。
職種を見て見ると、農業・林業がトップで約4割。男性はそれに続いて会社・役所、商売・自営。女性は主婦、商売・自営と続く。
地図で色分けをすると、百寿者の分布が明らかになる。人口10万人あたりの百寿者の比率は、8県で14.5人以上、10県で11.5人以上14.5人未満で、この18県はすべて、中国、四国、九州・沖縄地方に分布している。圧倒的な西高東低だ。
これまでに650人以上の百寿者に対面調査を行なってきた慶応義塾大学医学部老年内科の広瀬信義医師はこう指摘する。
「温暖な地域のほうが長生きしやすいと見ることもできますが、若い人が都市部に出て行っていて、もともと高齢者が多いからという可能性があります」
※週刊ポスト2014年5月9・16日号