4月14日、ぎんさんの娘4姉妹の長女・年子さんが100才の誕生日を迎えた。母・蟹江ぎんさんと同じく100才の“大台”にのった年子さんを祝おうと、妹たちはサプライズで誕生日会を企画。心づくしのプレゼントに、“あんねぇ”(年子さん)が見せた反応は──。
百合子さん(四女、93才):「それにしてもあんねぇは元気だにゃあ。髪の毛も前より黒いし、増えとるくらいでにゃあか」
年子さん(長女、100才):「うん、100才になってな、長生きの秘訣に気づいたの。憎まれっ子世にはばかる、って言うがね。だから、ときどき嫁とごはんのことや身の回りの世話のことでけんかするようにして、憎まれるようにしとる。100才になったからって甘く見られてはいかんで、大声出してやり返すんだが(笑い)。前はこれ、千多代が相手だったが、今は一緒におらんでなあ」
千多代さん(三女、96才):「ほんと、あんねぇは頭から湯気でも噴き出さんばかりに、えーらいでっかい声で怒るから、嫁さんが気の毒だが」
美根代さん(五女、91才):「はーん、この頃な、千多代姉さんが元気ないにゃあと思うときがあるだが、けんか相手のあんねぇがいなくなったからかもしれん」
千多代さん:「もうひとつ、肉好きのあんねぇがいなくなったで、から揚げを食べんようになったからかもしれんな。今日もから揚げ、明日もから揚げ…毎日のようにつきあっておうたから元気だったのかもしれん」
年子さん:「そういやぁ、毎年の私の誕生日もから揚げでお祝いしてくれたもんなぁ」
千多代さん:「いや、あれは単にケーキを買うお金が惜しかっただけのことで…(笑い)」
この日、あんねぇはいつになく饒舌だった。その元気旺盛な姿に、3人は心から安堵したのだった。
「そいじゃあ、100シャア、ほんとにおめでとう!」
美根代さんが手作りの巾着袋を年子さんにプレゼントし、千多代さんと百合子さんが、黄色の花束を差し出した。
デイサービスの決まりで、食べ物の差し入れができなかったため、バースデーケーキはタオルであしらった模擬ケーキを用意。年子さんの100才の誕生日会が始まった。
「ありがと、ありがとう」
そのずっしりと重い花束を年子さんは、体もよろけずにしっかりと胸に抱えた。
「ハッピィバースデー、トゥーユゥー、ハッピィバースデーディアあんねぇ~♪」
百合子さんが口ずさむと、千多代さん、美根代さんも手拍子を打ちながら歌い出した。♪ハッピィバースデーディアあんねぇ~、ハッピィバースデー100シャア~。歌い終わると、3姉妹の拍手が年子さんを包んだ。
「ありがと、ありがと、この年まで生きとれてよかったぁ。この年で祝ってくれる妹がいてよかったぁ」
年子さんの目に、うっすらと涙が光った。
美根代さん:「無事にあんねぇが100才を迎えてよかったぁ。それでふと思うんだが、これはまだ私ら4姉妹の“始まり”だよ。4年後に千多代姉さんが100才になって、7年後に百合子姉さん、そんで9年後に私。4姉妹全員が100才で生きておったら、これはすごいことだよ」
年子さん:「美根代が100才になるとき、私は109才かぁ。おっかさんは108才まで生きておったけど、それを超えんとな」
千多代さん:「あんねぇは大丈夫だよ。憎まれっ子だからしぶとく生きる。それより、私は善人だからだめだにゃあ(笑い)」
百合子さん:「おっかさんが双子で100才以上生きて、私たち子供も4姉妹全員が100才以上。これはきっと世界記録だよぉ」
久々に4人そろって笑いがはじけ、姉妹たちの心は通い合ったのだった。
※女性セブン2014年5月22日号