4月30日、作家の渡辺淳一さん(享年80)が前立腺がんのため、この世を去った。4年ほど前から抗がん剤治療を受けていたという渡辺さん。入院はせず、自宅療養しながら仕事を続けてきた。この間も“老人の性”などを題材にした新たな作品作りに意欲を見せるなど、闘病中とは思えないほど精力的だったという。だが、昨年末に体調を崩し、連載や新作の執筆の中断を余儀なくされていた。渡辺さんの知人がこう明かす。
「がんが発覚してからも、抗がん剤で転移などが抑えられているからと、それまで通り意欲的に執筆をしていました。抗がん剤治療の影響で体力の低下を感じると、思いたったように“肉を食べないと”と焼き肉店へ通ったこともあったそうです。
でも半年ほど前から、気力、体力ともかなり衰えていたようで、“もう書けない”と弱気な言葉を漏らしていました。励ましの言葉をかけても、自身が外科医であることもあって、“自分がいちばんわかっているよ…”と耳を傾けませんでした。昔から渡辺さんは、人間ドックが嫌いで、小さな病気をこまごま見つけても意味がない、というような人でしたので…」
今年に入ってからは、都内の事務所を引き払い、“まるで身辺整理をしているようだ”と、関係者の間ではささやかれていた。
「2月に連絡をとったときには、渡辺さん本人とは話せませんでしたが、“大丈夫ですよ”と聞いていたので、安心していたんですけど…」(前出・知人)
※女性セブン2014年5月22日号