「あの歌は、たか子から送られてきましてね、今携帯の着うたにしてるんです。すばらしい歌ですよ。たか子は本当によく歌っています」
目を細め、娘・松たか子(36才)について、しみじみと語り始めたのは、松本幸四郎(71才)だ。都内の自宅前で、本誌が『アナと雪の女王』という言葉を出すと、彼は笑顔を見せて、快く取材に応じてくれた。
幸四郎はそこで、父から娘へ、44年の時を超えて届いたある願いについて語ってくれた。
公開から2か月あまりが経ったディズニー映画『アナと雪の女王』だが、その人気はとどまることを知らない。この“アナ雪旋風”の中心にいるのが、吹き替え版で雪の女王・エルサ役を演じた松だ。劇中で彼女の歌う『Let It Go~ありのままで~』は、You Tubeで再生回数2000万回を超え、
<これを歌っている日本人は誰!?>
<この日本語の歌は、鳥肌が立つほどすばらしい!>
など、世界中から絶賛するコメントが届いているのだ。この彼女の成功を誰よりも喜んでいるのが、父・幸四郎だった。
「たか子が歌手活動を始めてから、もう10年以上になりますが、そもそも、最初に彼女に歌を勧めたのはぼくなんです。“石の上にも3年”じゃないけど、歌はずっと続けなさいって。
その努力が、やっと実を結んだんです。大勢の人々に受け入れられて、皆さんが娘の歌を口ずさんでくれるなんて…。“親バカ”と言われようとも、嬉しい限りですよ」(幸四郎)
松といえば、女優業の傍ら、1997年に『明日、春が来たら』で歌手デビューし、その後は『ミス・サイゴン』や『ジェーン・エア』など、ミュージカルにも次々に出演して、その歌唱力を磨いていった。
こうして、父の一言で歌を始めた松は、『アナ雪』の成功で、今や“世界的なミュージカルスター”へと上り詰めたのだった。
※女性セブン2014年5月22日号