日本球界の歴史を振り返ると、今年の広島カープ快進撃の原動力であるエルドレッドをはじめチームを支えた多くの外国人選手がいる。その一方で、「1億円の扇風機」と呼ばれたトマソン(巨人)や、「神のお告げ」で引退したグリーンウェル(阪神)などまったくの期待外れに終わった選手も少なくない。野手だけでなく、投手はどうか。メジャーでのコーチ経験のある高橋直樹氏が語る。
「実は一流のメジャーリーガーとして投げていた選手でも、あまり成功した例はありません。メジャーでの投球パターンはあくまでストレート主体で、140~150キロのストレートを打たれるまで続ける選手が多いが、日本に来る時にはある程度年を取り、球速も落ちているため、日本の打者でも“打ち頃”になっているからです。
速球はある程度見ていれば慣れますからね。この点においても、アメリカで速球では勝負できず、3Aで変化球やコントロールなどに活路を見いだしている投手の方が活躍しやすいといえます」
記録を振り返ると、メジャーとマイナーを行き来した後、韓国プロ野球を経てヤクルトに入団したグライシンガーや、160キロの球速にもかかわらずメジャー昇格できず横浜入団したクルーンなど、メジャーでは活躍できなかった投手が日本球界では活躍している。
※週刊ポスト2014年5月23日号