5月9日、春の叙勲の大綬章勲章親授式が宮中「松の間」で行なわれたが、勲章にどんな種類があるのか、知らない人も多いのではないか。民間人にとっての最高勲章が「桐花大綬章」である。
これは、「大勲位菊花章頸飾」「大勲位菊花大綬章」に次いで3番目という高位の勲章。明治21年に旭日章の最上位として追加制定され、2003年の栄典制度改正により独立した。民間人に授与される最高勲章だが、衆参両議院議長や最高裁判所長官などへの授与が多く、民間人の受章者は少ない。
財界人の生前叙勲は、土光敏夫氏、松下幸之助氏、平岩外四氏、豊田章一郎氏の4名のみ。ソニーの井深大氏も受章しているが、没後叙勲だった。勲章の意匠は、日章を中心に白色七宝を施した旭光が伸び、その間をつなぐように12個の桐花が配されている。章と綬の間にある鈕は紫色と緑色の七宝を施した桐の花葉をかたどっている。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2014年5月23日号