最終回の視聴率が42%を記録した、池井戸潤さん原作のドラマ『半沢直樹』(2013年、TBS)。この春は“池井戸ドラマ”2作品がラインナップし、ポスト半沢をめぐる闘いが繰り広げられている。
『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)は、『半沢』と同じく銀行が舞台。東京第一銀行本店勤務の花咲(杏・28才)が、各々の支店でトラブルを解決していく。
一話完結型で、毎回「黙ってられません!」と啖呵を切る花咲に爽快感が味わえると、評判も上々。初回視聴率は17.2%と好スタート。その後も15%前後を維持している。
一方の『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)は、唐沢寿明(50才)演じる精密機器メーカー社長・細川が、倒産のピンチに陥った会社を立て直していく物語。経費削減のため、会社の野球部を解散させたい細川と、存続させたい会長(山崎努、77才)や、専務(江口洋介、46才)との場外戦も見どころだ。
このドラマは、『半沢』と同枠の放送で、演出の福澤克雄氏など制作スタッフもほぼ同じ。話題性充分だったが、27日の初回視聴率は14.1%と思いの外厳しく、先手を取られた形に。テレビコラムニストの山田典昭さんは、『花咲舞』のほうが“上手”と話す。
「生瀬勝久さんが演じる常務・真藤は、あからさまな悪役で、わかりやすい。半沢っぽいけど、より軽いタッチでお気軽に見られる。それに対して、『ルーズヴェルト・ゲーム』は、決めセリフでアップにするカメラワークなど、『半沢』とあまりにも似ている。役者も『半沢』で大和田常務役だった香川照之さんや、支店長役だった石丸幹二さんら、“かぶる”起用をしている」
細川社長の決めセリフ“おまえはもうゲームセットだ!”も、“倍返し”を彷彿とさせる。コラムニストの今井舞さんも辛口でぶった斬る。
「『半沢』は主人公が、初回の放送から信念を持って闘っていたので、みんな応援したんです。でも、『ルーズヴェルト』の細川社長は、その信念が全く見えず、感情移入できない。冷徹にしろ、熱血にしろ、何を考えているのか、初回ではわからなかった」
ポスト半沢は、『花咲舞』が“王手”か!?
※女性セブン2014年5月22日号