「ふるさと納税」に、本格的なブームが到来している。2008年から始まった制度で、任意の自治体に2000円を超える寄附をすると、住民税と所得税が控除される仕組みのことだ。ただし、控除には確定申告が必要。年々認知度が上がり、総務省によると、2012年は、全国各地の自治体に130億1127万8000円が寄附された。
「控除限度額の目安は、年収400万円で1万3000円程度です。控除限度額内なら、実際に負担する金額は2000円だけ。残りの金額が控除されます。しかも、特産品などの“特典”が手に入る一石二鳥の制度なんです」(税理士・岩松正記さん)
実は納税者以上に注目しているのが各自治体。
ふるさと納税のポータルサイト『ふるさとチョイス』を運営する須永珠代さんによれば、「統計は取っていませんが、およそ半数の850以上の自治体が“特典”をつけています。特典があるなしで、寄附金額に差がつくので、自治体が力を入れているんです」という。
「実質負担額の2000円以上のお得な特産品はすぐに受け付けが終了してしまうこともあります。年度初めの4月に特典の見直しを行う自治体も多いので、寄附するなら今が狙い目です」(『ふるさとチョイス』運営・須永珠代さん)
例えば、高知県奈半利町で人気を集めているのは、地元の定置網で獲れた魚を詰め合わせた「海の幸福袋セット」。1万円の寄附で5000円相当の海の幸が届く。「金目鯛やかつおなど、網を上げるまで何が獲れるのか私たちもわからないお楽しみ袋です」(地域振興課・柏木雄太さん)。
2万円の寄附で年4回、1万4000円相当の特産品が届くコースも、四季折々に旬の味覚を味わえると好評。寄附金額は1万円~となっている。
宮崎県三股町では、1万円相当の宮崎牛のステーキが届く2万円コースがいちばん人気。また、4月に開始した宮崎牛1頭分を贈る3000万円の「プレミアムコース」は、受け付け開始直後に、用意した3頭分が完売したほどの盛況ぶり。ほかに「新鮮冷凍ヤマメと黄金イクラのセット」など、5000円相当の特産品がもらえる1万円コースも。地域政策係・高山秀栄さんによると「秋には、新たなプレミアムコースを企画中です」というから楽しみ。寄附金額は1万円~だ。
※女性セブン2014年5月29日号