涙にはストレス解消の効果があるといわれるが、泣ける“ツボ”は人それぞれ。今回は、57才パート主婦による感動エピソードをご紹介します。日々の疲れを涙とともに洗い流しましょう。
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私には娘がおりました。夫は若くして病で亡くなったので、女手ひとつで娘を育てました。フルタイムで働き、母子家庭だからと金銭面で苦労をさせないよう努力したつもりです。
そんな手塩にかけた娘が、早くに結婚を決めたんです。相手は娘と同じ年の、頼りなさそうな若者。娘を取られてしまったような寂しさがあり、初めは反対していましたが、そのうち、孫ができると、娘は家族3人で毎月のように遊びにきてくれるようになりました。
しかし、そんな幸せな日々が一転。娘一家の車が交通事故に遭ったのです。孫はチャイルドシートのおかげで無傷、運転していた義息子は頭を打って入院、そして娘だけ、亡くなりました。後部座席の中央に座っていた娘はフロントガラスを突き破り、車外に放り出されたのです。なぜ娘だけが死んでしまったのか。包帯を巻いた義息子が謝罪に来ましたが、私は「娘が死んだのはあんたのせいよ、一生許さない」と追い返しました。
それでも義息子は孫を連れて、月命日には必ず家に来ました。私は居留守を使い、時には罵声を浴びせました。それでも毎月来るのです。一周忌では避けられず義息子と顔を合わせた時、孫に「ばあば」と呼ばれ、無邪気に抱きつかれました。
久しぶりによく見ると、少し大きくなった孫には、娘の面影が…。
娘に、「許してあげて」と言われているようでした。
翌月から義息子を家にあげられるようになりました。そして迎えた三回忌、私はやっと「あなたも幸せになって」と、義息子に言えるようになりました。
※女性セブン2014年5月29日号