5月12日、約3000万円を騙し取った詐欺容疑で、映画プロデューサーの若杉正明容疑者(49)が警視庁に逮捕された。鈴木京香のレイプシーンで話題になった2004年の『血と骨』や、日本アカデミー賞を総なめにした2008年の『クライマーズ・ハイ』などの製作に関わった若杉容疑者は、“敏腕プロデューサー”として鳴らしていたはずだった。
捜査関係者がいう。
「日本映画テレビプロデューサー協会が選出したエランドール賞プロデューサー奨励賞を受賞した2009年頃が絶頂。そこから仕事が減っても派手な飲み食いをやめず、逮捕時は安ホテルを転々と泊まり歩いており、経済的には相当追い詰められていた。
詐欺に使ったのは大ヒットコミックが原作の『20世紀少年』。“続編を作る。人気シリーズだから投資したら確実に5倍になる”と映画への出資を持ち掛け、都内の会社役員に約3000万円を振り込ませた。勧誘話は巧妙で、民放キー局が映画製作に関わっているかのような契約書まで持ち出していたが、実際に若杉本人は製作にタッチしていなかった」
実は若杉容疑者が抱えていた出資トラブルはそれだけではなかった。ある会社経営者は、若杉容疑者からこんな勧誘を受けたという。
「作家・団鬼六の官能小説『花と蛇』の続編を作ると持ちかけられました。“杉本彩が脱いでヒットしたから、次はそれを超えるほどのインパクトが必要です”といっていた。そこで、“次は巨乳ですよ。巨乳を売りにする女優を脱がします”と豪語していた」
彼が持ち出した名前がまたすごい。
「元グラドルで女優の小池栄子や井上和香を起用したいといっていた。それよりも驚いたのは、“隠れ巨乳”といわれている清純派女優の石原さとみの名前も挙げていたことです」
こうして、“脱ぐ脱ぐ詐欺”の手口で、映画出資話が、若杉容疑者の口からポンポン飛び出したという。
「有名女優の名前を次々と挙げるうえに、“オレが脱がせます”と自信満々の口ぶりで話をする。その際、“鈴木京香もオレが濡れ場をやらせましたから”なんて語るものだから、つい信用してしまった……」
このペテンプロデューサー、相当な“アイデアマン”であるのはたしかだ。
※週刊ポスト2014年5月30日号