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タイ国民の多くが日本との絆の象徴と考えているのは天皇陛下

 ベトナムで反中デモが発生するなど、南シナ海での中国の横暴な振る舞いはASEAN諸国に深刻な懸念をもたらす一方、日本に対する評価を高める結果となっている。

 外務省が3月に発表したASEAN7か国(回答2144人)を対象とした調査では、そんな結果が得られた。日本を「最も重要なパートナー」に選んだのは65%。2位の中国(48%)、3位のアメリカ(47%)に大きく差を付けている。だが、アジア各国の親日要因はそれだけだろうか。

「ここからは日本だよ」。一般社団法人アジア支援機構代表理事として、アジアの貧困地帯の支援を行なう池間哲郎氏は、ミャンマーで耳にしたその一言が忘れられないという。

 ミャンマーなどの発展途上国では、先進国によるODAで社会基盤の整備が進められることが多い。道路の敷設もそのひとつ。そこを車で走っていた際、現地の人に聞かされるのが、先の一言だった。

 タイミングは、ガタガタと揺れていた車が静かになったとき──。「ほかの国の援助で作った道路を走ると、車が揺れる。でも、高い技術を伴う日本からの援助で作った道路では、車が揺れないのです」

 いまや“最後のフロンティア”として、世界の投資が集まるミャンマーに日本企業が進出する上で、現地人の「親日」は大きな強みになっている。

 先の調査で74%もの人が最も重要なパートナーに日本を挙げたのがタイだ。タイには日系企業も多く、経済的な結びつきも強い。

 ところが、タイ国民の多くが日本との絆の象徴だと考えているのは、なんと「天皇陛下」だった。タイの首都バンコクに駐在した経験のある大手紙記者が語る。

「『タイの胃袋は、日本の天皇が満たした』と聞きました。何かと思ったら、プラーニンのことでした」

 プラーニンとは淡水魚の一種だ。実はこの魚のルーツは、1960年代半ば、天皇陛下が皇太子時代にタイのプミポン国王に贈ったものである。別の魚の養殖を検討していたタイ王国に対して、より適していると判断された品種を、東宮御所で手ずから育てられ、贈呈した。

「プラーニンは今やすっかりポピュラーで、食堂では揚げたり蒸したりしたものを見かけます。貴重なタンパク源ですよ」

※週刊ポスト2014年5月30日号

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