ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、おばさまたちが美しく生きるためのアドバイスをしてくれます。今回は「女性の魅力」についてのお話です。
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今回から数回にわたり、オバさまたちが自らの商品価値を高めるための講座を開設したいと思います。名づけて“くノ一入門”。「どうしてクノイチ?」ですって?
はっきり言って、何となく(笑い)。でもほら、忍者って水遁の術とか分身の術とかいろいろな忍術を使うじゃないですか。これは戦国時代を勝ち抜くために磨かれた技術ですが、現代の女性にも、美しく生きるための忍術はあると思う。
それを磨いて、女性として末長く幸せに、かつ美しくいきていくことが、この講座の目的なのです。
私が現代に伝わる、“くノ一の忍びの術”を再認識したのは、「STAP細胞はありまぁす!」と宣言なさった、小保方晴子嬢の記者会見を見たときでした。
彼女のファッション、その他について、すでにいろいろなかたが検証済みですが、TPOと「自分の立場」をわきまえた、ほぼ完璧な装いだったと思います。
完璧さゆえに、「あざとい」と感じたかたもいるようだけど、秀でた人はどうせ何をやっても非難されるんだもの。女性の武器を最大限に活用して批判を最小限に食い止めた手腕は見事でした。
多分、彼女を非難する女性は、「女の武器を使う」ことに何らかの偏見を持っているか、「女の武器を腐らせてしまった人」か。私は「せっかく神様が授けてくださった標準装備の武器は、すべて有効活用」が正解だと思います。
お若い女子の得意忍術は、名づけて“微笑みの術”、“涙の術”。そして“ブリッ子の術”(ひねりがないわね)。会社の上司なら、この3つの波状攻撃にさらされたら、ころっと騙され…いえ、たいがいのことは許してしまうのではないかしら。
とはいえ、“ブリッ子の術”や“涙の術”には、残念ながら年齢制限がございます。目尻にしわを寄せながらの上目遣いや、「しわの溝に入ったその涙。どっちに流れるのかしら?」と気になってしまう泣き顔は、正視しかねます。大した効果も期待できません。
では、オバさまがたが身につけるべき必殺忍術とは何か。それは次回、詳しくお伝えしましょう。
オバさん、万歳!
※女性セブン2014年5月29日号