ブラジルW杯に挑むサッカー日本代表23人のメンバーが決定したが、ザックJAPANの中心的役割を果たすのが本田圭佑であることは論をまたない。だが、元日本サッカー協会副会長の釜本邦茂氏は本田に対し、こう注文を出す。
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日本代表の1トップ、その能力を現段階で持っているのは本田圭佑だけだ。ただ本田には注文がある。もっと謙虚にならなければならない。自分のスタイルを前面に出すのはいいが、それは周囲の者が理解してこそだ。
それに私は、他の選手たちにも責任があると思う。チームが本田の言い分を素直に受け入れすぎているように見えるのだ。本田に対して「それは違う」と反論する者が、現在の代表にはいないのではないか。
彼は紛れもない日本の中心選手だ。しかしだからこそ、彼を「裸の王様」にするようなことがあっては、日本は崩壊してしまう。それは中田英寿の時に、痛いほど経験したはずだ。
いずれにせよ、堅守速攻が日本の予選リーグ突破のカギとなる。ザッケローニは「攻撃型の選手を選び、相手より多く得点を奪う」ような発言をしていたが、相手国との力関係を考えてもそれは非現実的だ。
楽観的な見方もあるようだが、とんでもない。守って守って、ワンチャンスで得点する。失点を食い止め、最少得点で勝つというのが、日本が目指すサッカーだ。
※週刊ポスト2014年5月30日号