グローバル時代の到来で英語を操る能力が必須と言われているにもかかわらず、日本人の多くは英語が苦手だ。国際ジャーナリストの落合信彦氏は、英語習得のために英語の資格試験の点数を稼いでも意味がないという。英語力をあげるために、日本人に必要なことについて落合氏が解説する。
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グローバル化や国際競争力の強化が盛んに叫ばれているにもかかわらず、日本人は「英語」ができない。各種調査で日本人の英語力がアジア最低クラスにランクされる状況が続いている。その理由については「学校教育が悪い」「これまでは十分な内需があったので国内でビジネスをしていればよかった」といった分析がなされている。
どれも本質的な議論ではない。日本人の英語力が低いのは、言葉を学ぶことを「楽しむ」姿勢が足りないからだと私は考えている。
英語力を身につけようとする時に、日本では多くの人が資格試験の教科書を手に取る。ペーパーテストで良い点を取るための勉強では楽しくないし、高い点数が取れても実際に英語でコミュニケーションできるようにはならない。
「履歴書に点数を書くことが目的だからそれでいい」という人もいるようだが、よく考えてもらいたい。解答のあるペーパーテストなど、訓練すれば誰でも点数が取れるようになる。そんなものがキャリアを重ねていく上でアドヴァンテージになるはずがないだろう。日本には英語の資格試験が60種類以上あるというニュースがあったが、「英語力の低い資格試験大国」ではあまりに悲しい。
私はアメリカの大学に留学するために、英語を必死で勉強した。今思い出してもそれはとても楽しい日々だった。
私がアメリカ留学を決意したのは高校在学中のことだ。アメリカの大学であれば奨学金制度が発達しているから、母子家庭で私を育ててくれた母に負担をかけずに済むし、何よりも世界中から優秀な人材が集まるアメリカで様々なバックグラウンドの人間と議論すれば、自分がそれまでに触れたことのない知識や価値観を学べると思っていた。
私は期待に胸を膨らませて、英語の習得に全力を尽くした。