プロ野球シーズン開幕前は「ぶっちぎりの優勝」とまで多くの評論家から予測されていた巨人。ここまでの苦戦の原因。それはなんといっても、まず「投壊」にある。エース・内海哲也は、9度先発して未勝利(5月23日現在、記録は以下同)。開幕5連敗は自身初めてのことだし、9試合白星なしというのは、2009年に7試合で0勝3敗を喫した時を超える、屈辱の自己ワースト記録だ。
鳴り物入りで広島から入団した大竹寛は現状で5勝を挙げ、チーム2位の勝ち星。期待通りの活躍のようにも見えるが、防御率が4点台後半と内容はボロボロで、運良く味方の援護に恵まれてなんとか勝ちを拾っているに過ぎない。
杉内俊哉も、4勝2敗で帳尻を合わせているように見えるが、これも防御率3点台なかばと危なっかしい。先発陣で計算できるのは、菅野智之ただ1人だ。
何より、昨年の優勝を支えた“勝利の方程式”、マシソン、山口鉄也、西村健太朗が揃って絶不調なのが痛い。いずれも防御率4~5点台で、抑えが完全に崩壊してしまっている。
一方の野手陣も、何ともピリッとしない。中心打者の坂本勇人、長野久義、村田修一がおしなべて打率2割台と低調。ここまで打線を引っ張ってきたのはロペス、アンダーソンの外国人勢というから頼りない。
中でも、ここへきて一気に衰えた感のある阿部慎之助には、ファンも戸惑いを隠せない。
「そもそも投手の不調も、阿部のリードに問題があるように思える。素人でもわかるような、2球で追い込んだ後は必ずボールというような配球で、はっきりいって単調。しかもやけに球を後ろへ逸らすし、肩も本当に酷くなった(注・盗塁阻止率は1割台)。あれなら新人の小林誠司を使ったほうがいくらかマシではないか」(40代の男性ファン)
「打撃もひどい。打った瞬間、これまでならホームランだと思える打球も失速して、フライになってしまっている。なんだか、一時代が終わった感じがする」(60代の男性ファン)
※週刊ポスト2014年6月6日号