巨大戦力を誇りつつも、意外な苦戦が強いられている読売ジャイアンツは、打線をコロコロ替えたり、放出した若手の有望株が他球団で活躍したりするなど、原辰徳監督の采配はもちろんコーチにも批判が集まっている。
これでは原政権を維持する理由はなくなる。あえていわせてもらうが、ここは原監督の「更迭」という選択肢もあるのではないか。辛口評論家として知られる広岡達朗氏もこう突き放す。
「巨人はもっと負ければいいんですよ。その時に、なぜ負けたかを前向きに考え、チームを思い切って作りかえればいいんだ」
広岡氏は、キャンプやオープン戦の大事な時期を、まるで選手任せにしていたツケが、今になって出ていると指摘する。その責任も、原監督にあると断じる。
「よそはマジメにキャンプをやっているのに、巨人のキャンプで目に入るのは、評論家や有名人の応対ばかりしている原監督の姿だけ。巨人は12球団で一番、練習をしていない。ファンサービスのつもりかもしれないが、チャラチャラした部分まで、長嶋茂雄に似せる必要はない。
長嶋がよくなかったのは、それまで巨人は常勝、勝たなければいけなかったのに、長嶋時代には、“長嶋なら負けてもしょうがない”ということになってしまったことです。でもこれは長嶋だから許されたわけで、原では負けてもファンが許してくれない。それに気が付かないと」
そして広岡氏はこう言い切った。
「原はオレの真似をすればいいんだよ。オレは勝って勝って、嫌われてきたんだからね」
9年目という長期政権を迎えた原監督に、OBの声は届くだろうか。
※週刊ポスト2014年6月6日号