永田町で不気味な解散風が吹き出した。安倍晋三首相が、集団的自衛権の是非を問う“ワンイシュー”選挙を仕掛けるというのである。
政府高官は解散の可能性を問われると意味深に黙り込み、野党党首は「安倍は本気だ!」と選挙準備に走り、民主党では「このまま選挙になれば勝てない」と慌てて代表を交代させる動きが表面化した。
「創価学会が解釈改憲はダメといった以上、自公協議はまとまらない。公明党は安倍総理が集団的自衛権行使の旗を下ろさない限り、学会に顔向けができないし、総理も“やっぱり憲法解釈は見直しません”とはいえない。互いに面子がかかっている。
それなら、ここで解散・総選挙を打って国民に信を問う。安倍総理が信任を受ければ、公明党もそれが民意だと解釈改憲を受け入れることができる。来年の統一地方選が近づく前に選挙をやるなら、この夏から秋にかけてのタイミングしかない」(自民党幹部)
安倍首相が「解釈改憲」を掲げて総選挙に臨む場合、当然、反対する公明党との連立はいったん解消し、自民党は15年続けてきた公明党との選挙協力なしで戦うことになる。
※週刊ポスト2014年6月6日号