がんの3大療法は手術・放射線・抗がん剤。これら3大療法では打つ手がないと判断されても、回復する人がいる一方、がんの根治術を行っても再発する人がいる。
「いくら手術しても、生活習慣病であるがんは、体質を改善しない限り再発を繰り返します。だから、がんを作るのも、消すのも、食事が大きく関係しているのです」
済陽式食事療法として、『がんを消す食の8原則』を提唱している、西台クリニック(東京・板橋区)院長の済陽(わたよう)高穂さんはそう訴える。
「がんを克服するための食事療法として10年以上前に作ったもので、現在、がんを患っている人は8原則をしっかり守ってほしい。2012年では、353例中、完全治癒49例、改善176例で、有効率は63・7%。化学療法のみより、高い効果がありますよ」(済陽さん・以下同)
がんを予防する食の8法則は以下の通りだ。
【塩分を減らす】
塩分が多いと、胃では粘膜が荒れ、細胞のミネラルバランスが崩れて代謝が乱れ、発がんリスクが高まる。塩分は極力抑え、だしや香辛料で味の工夫を。がん患者の場合は1日2gまでを目安に。
【牛豚羊の肉を制限する】
牛、豚、羊などの四足歩行の動物の肉は、がんリスクを高めるという報告がある。肉は脂の少ない鶏の胸肉などを1日30g程度、卵は平飼(ひらが)いを1個に。魚もマグロなど赤身魚より白身魚を。
【新鮮な野菜と果物(低・無農薬)を大量に摂る】
野菜や果物にはビタミンや抗酸化作用の強いポリフェノールなどが豊富。加熱すると酵素のビタミンが損失するので、生で摂るのがおすすめ。大量に摂るならジュースにして30分以内に飲むこと。
【玄米、豆類、いも類を摂る】
主食はビタミンや抗酸化物質、食物繊維が豊富な玄米に。胃腸が弱ければ、発芽玄米も有効。抗酸化作用が強く、特に乳がんや前立腺がんの抑制効果のある大豆製品やいも類も1日1回は摂って。
【乳酸菌、海藻類、きのこ類を摂る】
腸内バランスを整えて免疫力を高める乳製品は必須。毎日200gの無糖ヨーグルト(乳がん、卵巣がんの人はNG)がおすすめ。免疫力を高めるβグルカンを含むきのこ、フコイダンを含む海藻も◎。
【レモン、はちみつ、ビール酵母を摂る】
細胞のエネルギー生産をするクエン酸代謝を円滑にするレモンは1日2個、はちみつは大さじ2杯を目安に。肉の摂取制限で不足しがちなアミノ酸は、ビール酵母サプリで補うといい。
【油はオリーブ油かごま油】
植物性の油にも脂肪酸を増やしてがんの促進要因になるものがあるため、オメガ9系のオレイン酸などが豊富なオリーブ油、ごま油を使うといい。加熱しない場合はオメガ3系のしそ油、エゴマ油などを。
【自然水を飲む】
代謝に欠かせない水は最低でも1日1リットル必要。飲み水は加熱処理されていない市販のナチュラルミネラルウオーターを選ぶこと。水道水は塩素やフッ素が入っており、活性酸素が増加するので、高性能の浄水器を付けるといい。
※女性セブン2014年6月5日号