厚労省と文科省が先ごろ公表した「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」によると、2014年春に卒業した大学生の就職率は、女子95.2%、男子93.8%と、女子が2年連続で男子を上回る結果となった。企業の採用担当者からも「女性のほうが優秀」という声が相次ぐ。
「採用試験の結果だけでランク付けすると、上位20人全員が女性。上から採用したら女子社員だけになる」(家電メーカー人事担当)
「面接官10人がまとめた学生評価を回収すると、ほぼ全員が推してくるのは圧倒的に女子学生。学生時代の成績も立派で、面接の受け答えも申し分ない。本当は採ってあげたいんですが……」(中堅生保人事部)
頭を抱える企業の人事担当者がいうように、さすがに女性だけを採用するわけにもいかず、選考結果に目をつぶって男子学生に“下駄をはかせている”のだという。人事コンサルタント・城繁幸氏の指摘。
「優秀といわれながらも、大手企業の総合職の女性の割合は8%ほど。最初から女性採用枠を絞り込んだり、採用責任者が“調整”したりして、男性を採用しているのが実情ですね」
『就活のコノヤロー』(光文社新書)の著者で、教育ジャーナリストの石渡嶺司氏も「男子の不甲斐なさに比べて、女子の優秀さは認めざるを得ない」と語る。
「就活セミナーでも、何をしゃべっているかわからずボソボソしゃべる男子学生に助け舟を出して、討論を盛り立てる女子学生という光景はよく目にします。男子は覇気がありませんねェ」
大手不動産会社の人事担当も呆れてこう話す。
「学生時代に力を入れたことを質問したら、男子は“アルバイトを頑張っていました”で話は終わり。女子は“ファミレスのアルバイトで接客のアイデアを出し、3年目にはチーフ・マネジャーを任されました”と、面接官が興味の持てる具体的な自己PRをする。企業が求めるコミュニケーション能力は段違いです」
※週刊ポスト2014年6月6日号