プロ野球も交流戦まっさかりだが、今シーズンで意外だったのは、苦戦が続く巨人である。そんな中、皮肉なことに広島の一岡(竜司)や日本ハムの市川(友也)など、巨人出身者が新天地で活躍している。
「そうやって若手の有望株を放出した結果、いま、巨人のファームの弱体化が深刻なんです」
こう語るのは、巨人OBの関本四十四氏だ。
確かに巨人の二軍は現在、イースタン7球団のうち6位。首位ロッテからは8.5ゲームも離されている(5月24日時点)。一軍がふがいなくても、下から突き上げてくる若手がいないというのが実情だ。
ここまでくれば、原采配はもちろんだが、それを支えるコーチ陣の眼力、技量も疑問に思えてくる。
「監督としても悩みが深いのではないかと思います。先日、急に打撃コーチの村田真一がバッテリーコーチも兼ねるようになったが、こうしたシーズン中の配置転換は非常に珍しいことです」(関本氏)
OBの1人、金田正一氏も、独自の視点からコーチの責任を問う。
「ワシは今年の開幕試合の時にイベントで呼ばれて、マウンドに登ったが、途中歩いた東京ドームの新しい人工芝に、何ともいえない違和感を覚えた。
天然芝に近いクッション性、衝撃吸収性があるというが、弾力がありすぎる。あれでは選手の足腰にかえって負担がかかるよ。そういうときは、土の上を走って疲労を取らなくてはならないんだ。
これは特にコーチ陣が注意してやらないといけない点。投手陣に加え、阿部(慎之助)や村田(修一)らの体にキレがないのは、コーチの責任が大きいと思うよ」
※週刊ポスト2014年6月6日号