50代以上の女性をターゲットにした新雑誌の表紙が「一体誰なの?」と話題を呼んでいる。大きめのシャツをダボッと羽織り、くわえタバコで挑発的な視線を投げかけるコケティッシュな美女のモノクロ写真──。「もう一度、自分デビュー!」をキーワードに発売された雑誌『octo∞』(オクト アクティブエイジング)の表紙を飾るこの女性の正体は、実は女優・加賀まりこ(70才)だった。
写真は1964年公開、加賀が主演した日活映画『月曜日のユカ』からのもの。外国人客が集まる横浜の高級ナイトクラブに勤め、初老のパトロンから同世代まで平気で男と寝るが、決してキスはさせない伝説の女。そんな主人公を演じたのが、当時20才の加賀だった。
日本映画の黄金時代であった1960年代の女優たちについて、浅丘ルリ子を主人公にした小説『RURIKO』もある作家の林真理子さんは次のように語る。
「加賀まりこさん、浅丘ルリ子さん、昔のスクリーンの女優って本当にキレイで、品と雰囲気がありました。
戦時中は恋愛を描くことは許されなかったけど、戦後になって男の人の相手役に抜擢されたのが彼女たち。俳優の相当な相手役として、ラブシーンをこなせる、大人の雰囲気を持っていたんでしょうね」