「私には、まだやるべき手術が残っています。次のステージに移るため、すばらしい人々からアドバイスを受けて、決断したのです」
ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリー(38才)は、米誌『Entertainment Weekly』(5月号)でそう語り、現在、子宮摘出手術の準備中であることを明かした。
彼女は昨年5月、遺伝子検査の結果、「がん抑制遺伝子」に変異があり、将来的に乳がんになるリスクが87%、卵巣がんになるリスクが50%と診断されたこと、さらにがんを予防するために乳房切除手術をすでに済ませたことを公表し、世界中に衝撃を与えた。
そして今回、乳房に続き、子宮まで摘出するという決断について、彼女は同誌でこう語っている。
「がんを防ぐためにできることが存在する以上、それがどんなことであれ、私はやらなければならないんです」
彼女のこの悲壮な決断の裏にあったのは、家族へのこんな思いだった。
「アンジーのお母さんは、10年以上のがん闘病の末に、2007年に亡くなっています。彼女は長年、母が孫を抱くことなく逝ったことを何よりも悲しんでいました。そしてアンジーは今、夫のブラッド・ピット(50才)との間の実子と養子合わせて6人の母親となりました。彼女には、“子供たちには、母をがんで亡くすという悲しみを味わわせたくない”という思いが非常に強いんです」(在米ジャーナリスト)
実際、摘出手術をすれば、がん発症のリスクを5%以下にまで抑えることができるというが、それですべてが解決するわけではない。医学博士の狭間研至氏はこう語る。
「確かに、子宮という臓器は、もう出産という考えがないのであれば、なくても生命にはかかわりませんが、いざ摘出するとなると体へのダメージが非常に大きいんです。
子宮を摘出すると女性ホルモンが分泌されなくなるため、ホルモンバランスが崩れ、いわゆる閉経後の更年期障害のような症状が表れます。抑うつ状態や頭痛、めまいなどですね。術後はホルモン剤投与などの補充療法が欠かせなくなります」
※女性セブン2014年6月12日号