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習主席の上海視察に江沢民氏長男同行 不仲説の払拭が狙いか

 中国の江沢民・元国家主席の長男、江綿恒・上海科技大学長が5月24日の習近平・国家主席の上海視察に同行していたことが香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」などの報道によって分かった。江綿恒氏は5月14日にも曽慶紅・元国家副主席の上海の美術館訪問にも同行している。

 中国では最近、上海閥と石油閥の大幹部で、腐敗問題で身柄を拘束されている周永康・元党政治局常務委員の処分をめぐって、江沢民、曽慶紅の両氏と習氏が対立しているとの観測も出ており、習氏が江綿恒氏を視察に同行させたのも、その不仲説を否定する狙いがあるとみられる。

 習氏は5月24日、上海市内の医療機器メーカーや自動車会社などを視察し、「中国独自の製品の製造」を強調した。中国国営の新華社通信などは、この視察に韓正・上海市党委書記や楊雄・上海市長らが同行したと伝えたが、江綿恒氏の名前は省かれていた。

 しかし、中国中央テレビ局の映像や新華社配信の写真には江綿恒氏が映っており、江氏は中国科学院上海分院長の立場で、習氏に現在の科学技術関連事業について説明するため、同行したとみられる。

 このところ、江氏は曽・元副主席の上海訪問に同行したり、江氏の父親の江沢民氏が上海でプーチン・ロシア大統領と会談するなど、江親子の動きが際立っている。

 香港の経済紙「信報」は「親子で公の場に登場することで、その存在感を示す狙いがある」と分析するが、香港の共産党筋は「それとともに、最近、周永康・元政治局常務委員の処分をめぐって、『厳罰に処する』と主張する習近平と、『法的処分は猶予して、寛大に処する」よう主張する江沢民や、石油閥のトップである曾慶紅の対立が目立っているとの憶測が飛んでおり、江綿恒の習近平、および曽慶紅への同行は、両者がいまだに協調路線をとっていることを示す思惑が働いている』と指摘する。

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