昨年は『あまちゃん』(NHK)や『半沢直樹』(TBS系)などの超高視聴率番組の登場で、忘れかけていた「テレビの面白さ」を視聴者が再認識した年だった。
だが、今年に入ってからは、NHKの朝ドラ以外に目ぼしいヒットもなく、民放各社は視聴率低迷にあえいでいる。
悲惨なのはテレビ朝日だ。昨年開局以来初の民放ナンバーワンに躍進したが、今年4月の月間視聴率では再び民放4位の座に逆戻りしてしまった。とくに4月スタートの3本の刑事ドラマはいずれも1ケタ台と苦戦が続いている。
「編成に問題があった。いくら刑事モノは高視聴率が期待できるからといっても、そればかりだと飽きられる。ただでさえ夕方に『相棒』の再放送をしているんだから……。早河(洋)社長も“失敗だった”と周囲にこぼしてますよ」(テレ朝社員)
長らく“万年4位”、“振り向けばテレ東”と揶揄されてきたテレ朝は、挑戦的で独自性の高い番組作りに取り組んできた。それが昨年の躍進につながったわけだが、栄華はほんの束の間だった。
「いま、局内に“挑戦しよう”なんて雰囲気はないですね。『相棒』に頼りきって、似たようなドラマを作るだけで新しいドラマへの挑戦を怠っている」(同前)
映画『相棒―劇場版III―巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』も思わぬ苦戦。いま、テレ朝社員の間では「相棒で成功し、相棒で失敗した」が口癖になっているという。
※週刊ポスト2014年6月13日号