「地に足を着け、テレ東社員全員が“弱小局”だということを忘れずに生きていこうと思います」
この春から夜の経済ニュース番組『ワールドビジネスサテライト』(WBS)のメインキャスターに抜 されたテレビ東京の大江麻理子アナ(35)は、そのお披露目会見でこういって会場を沸かせた。こうした“自虐ネタ”に花が咲くことこそ、業績好調の証なのだ。
WBSは大江アナの登板以降、これまで2%前後だった視聴率を4%まで押し上げ、フジの『ニュースJAPAN』を抜く日もあるなど確実に存在感を高めている。大手キー局がスポンサー離れに苦しむなか、そうした不安はないようだ。
「“大江効果”もあってWBSにはスポンサーを希望する企業が殺到。ウェイティングリストができているほどです」(テレ東関係者)
今年に入ってからテレ東の快進撃に注目が集まっていたが、5月に発表された決算がそれを証明した。スポットCM収入は前年比10.4%増で、テレビ東京やびーえすジャパンなどの持ち株会社テレビ東京HDは設立以来の最高益を記録したのだ。
その業績を支えているのが、いまやフジやTBSを抑えて3位になることも珍しくないほど、好調が続く視聴率だ。3月末に終了したドラマ『三匹のおっさん』最終回の視聴率は、なんと12.6%。他局の裏番組を5%以上引き離す数字をたたき出した。
「北大路欣也(71)、泉谷しげる(66)、志賀廣太郎(65)の3人が主演という、他局では考えられないキャスティングですが、“見たいドラマがない”という中高年男性の支持を集め視聴率は伸び続けた」(テレ東関係者)
※週刊ポスト2014年6月13日号