普通の国語辞書にこそ載っていないが、広く国民に知られている「卑猥な日本語」の数々。それらはいったいどのように生まれ、全国に伝播していったのか。
【エッチする】
当たり前のように使われるようになったこの言葉を作ったのはあの大物芸人・明石家さんまといわれる(島田紳助という説もアリ)。
テレビでは性行為を直接的に表現できないため、「スケベ」と同等の意味で用いられていた「エッチ」を動詞化してお茶の間に持ち込んだ。
そもそもこの「エッチ」という言葉がなぜスケベな意味となったのか。実はエッチはそもそも「変態」の頭文字から取られたものだったのである。
『性の用語集』と『性的なことば』(いずれも講談社現代新書)の著者である国際日本文化研究センター教授の井上章一氏が解説する。
「1955年発表の舟橋聖一の小説で、変態を表わす表現として最初に使われた。その後、永井豪の『ハレンチ学園』の影響で子供たちの間でも普及するようになったのです」
※週刊ポスト2014年6月13日号