新緑が爽やかな、散歩にうってつけのこの季節。道端で強い生命力を見せる野草の“旬”でもある。そこで、『ナニコレ珍百景』(テレビ朝日系)等で野草を食べる“野草ツウ”としておなじみの俳優・岡本信人(66才)に、手軽に楽しく作る、自分だけの野草茶の作り方を教えてもらった。
「ぼくの場合、野草は新鮮なまま食べてしまうのが目的なので、お茶は多く試したわけではないんだけど、野草の数だけお茶がありますから。とりあえず干して乾燥させれば、たいがいのものはお茶にしてしまう(笑い)。味は保証の限りではないけれど、野趣を楽しむという意味でやってみるのも面白いんじゃないかな」
生まれ故郷の山口県で、子供の頃から野草を食べたり、薬草として煎じて飲んだりと野草に親しんできた岡本は、楽しそうにこう語る。
これまでに飲んできた中で、イチオシはカラスノエンドウ。よく煎って飲むと香ばしいお茶になるという。他にも「ぜひ試して」というのがタンポポコーヒー。こちらは根の部分だけを採って洗い、天日干しして刻んでから煎るだけ。
「根っこは結構深くて15cmほどあるから、強引に引っこ抜かないよう慎重に採ってください。濃いめが好きなら長めに煎って、ミルでひいてドリップして飲む。これはやってみる価値ありますよ〜。手間をかけて、オリジナルのコーヒーとして飲むと、なんともいえない充実感。手作りの過程もまた楽しいんです。毎日歩いている道にあったタンポポがコーヒーになっちゃったなんて、最高ですよ」
野草をおいしいお茶に変えるコツは、よく乾燥させて、よく煎ること。
「煎り方が弱いと野草のにおいが残ることもありますからね。ドクダミのあのにおいが消えるのも乾燥させているからですよ」
6月頃までの野草はハルジオン、ヒメジョオン、オオバコ、スギナなど。中でも利尿作用があるといわれるスギナが飲みやすいと岡本。
「ドクダミはお茶にも薬草にもなるというので一般的にも知られて市販されているけど、買うよりも自分で採って作る方が楽しいですよ。ドクダミなんて、どこにでもありますからね。お金もかからないですし」
ただし、間違えて毒草を採らないように注意も必要。
「食べるのと同じで、知らない野草は絶対に使わないでください。今の時期ではイヌホオズキ、タケニグサ、ヨウシュヤマゴボウ、チョウセンアサガオに注意です。自分で試す前に、必ず図鑑などで毒草ではないか、口にしても大丈夫か確認してください」
野草探しは散歩がてらの運動不足解消にもなり、自分なりのおいしいブレンドを見つけだす面白さや、好きな人同士で集まって“聞き茶”をしたりとさまざまな楽しみ方も。なによりタダなので家計にもやさしい。
※女性セブン2014年6月12日号