NHK『あさイチ』(5月26日放送)で特集された「家庭内別居」夫婦の実態が反響を呼んでいる。家庭内別居とは、ひとつ屋根の下で暮らしていながら、夫婦がほとんど関わりを持たずに生活する状態をいう。「会話はすべてメール」という夫婦の例を紹介しよう。
50代の会社員は「妻の浪費癖には辟易していました」と苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。十分な生活費を渡しているにもかかわらず、口を開けば「お金がない」と繰り返す妻とは結婚直後から小競り合いが絶えなかったという。今や会話はすべてメールで済ませている。
「絵文字なんてまったく使わないですよ。『長女塾費用1万円必要』『了解』みたいな、業務連絡しかしていません。メールにしているのは、証拠を残すためです。普通に会話をすると、『いった』『いわない』でケンカになりますから」とビジネス並みのシビアさだ。
食事の用意も洗濯もしてもらえない。
「なのに、『キッチンに入るな』『食器に触るな』といわれ、本当に腹が立ちますよ」
自ずと外食がちになり、食事を一緒に楽しむ女性もできた。
「でも、外泊したら離婚は間違いないので、どんなに遅くなっても家に帰るようにしています」
傍目には完全に崩壊している夫婦関係でも、最後の一線とでもいうべき離婚だけはなんとしても避けたいようだ。
※週刊ポスト2014年6月13日号