普通の国語辞書にこそ載っていないが、広く国民に知られている「卑猥な日本語」の数々。それらはいったいどのように生まれ、全国に伝播していったのか。
たとえば「すっぽんぽん」は、真っ裸であることを意味する言葉だが、実際のところ、なぜ裸を意味しているのかよくわからない。
武庫川女子大学非常勤講師の川井ゆう氏が調べたところによれば、元々「頭がすっぽんぽん」などと「空っぽ」を意味したすっぽんぽんを1980年代前半に「裸」という意味で普及させたのは週刊ポストだったという。
実際に当時の同誌を読み返すと、1982年には「カネやん(金田正一氏)の秘技くい込みインタビュー 無修正のスッポンポンですよ」との記事を掲載。翌1983年末からは「愛染恭子のスッポンポンインタビュー」という連載を開始している。
同誌の普及活動の甲斐あってか(?)、「すっぽんぽん」は1990年代に企業広告や政治家の答弁にも使用されるに至り、1991年めでたく広辞苑に採録された。
※週刊ポスト2014年6月13日号