「オレオレ詐欺」が複雑化している。疑う親に対応して警察役を用意したり、地方から東京に直接お金を持参させたり、手口は込み入っている。ネットに不案内なお年寄りの弱点を狙った手口もある。
「会員になれば、事前にロト6の当選番号を教えますよ。当たれば億は確実です」
情報提供会社を名乗る男からのあまりにも現実離れした電話に、72歳男性は訝しんだ。
ところが、「これが当選番号です。明日の新聞に載りますよ」と言われ半信半疑でメモをとったところ、実際に翌日の朝刊にその数字があった。すっかり男を信じ込み、貯金の半分に当たる数千万円を指定口座に振り込んでしまった。
「ロト6詐欺」のからくりは、当選番号が新聞に掲載されるのと、ネット上で発表されるタイミングの時間差にある。パソコンを使わない男性は、伝えられたのがすでにネットで発表済みの数字だとは疑いもしなかった。
※週刊ポスト2014年6月13日号