スポーツ界では30年も経てば常識はガラリと変わる。「練習中は水を飲んではいけない」説を今や実践している運動部はないだろう。そして、野球に詳しいと自任する人ほど勘違いしやすいこともある。たとえば、かつては絶対の作戦だった送りバントが、はたして有効かどうかも疑わしい。ヤクルト、巨人、阪神でプレーしたスラッガー、広澤克実氏がいう。
「統計で見ても、送りバントは得点の可能性を上げないということが証明されています。木のバットを使っていて貧打だった時代の高校野球の戦法で、金属バット使用で長距離打者が増えた現在の高校野球ではそれほど有効とは思えません。
プロの場合は、得点のためというより併殺を避ける手段として使われ、消極的な作戦という印象です」
※週刊ポスト2014年6月13日号